高血圧の治療(その③)-薬物療法①
今日は、高血圧治療に用いられる薬、つまり“降圧薬”の種類についてお話しましょう。
生活習慣病の改善では血圧が下がらない場合や、リスクが多く最初から降圧薬で対応することが必要な場合では、降圧薬による薬物療法がおこなわれます。
薬物療法に用いられる降圧薬は、一般的に以下の6種類があります。
(1)カルシウム(Ca)拮抗薬
血管を拡げて血液の通る量を増やし血圧を下げる薬。
(2)アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
血管を収縮させるアンジオテンシンⅡが受容体に結合するのを阻害して血管を拡げ、血圧を下げる薬。
(3)アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
血管を収縮させて血圧を上げる作用のあるアンジオテンシンⅡを作る酵素の働きを阻害して、血管を拡げて血圧を下げる薬。
(4)利尿薬
尿の出を良くして塩分や水分を減らし血圧を下げる薬。
(5)β遮断薬(含αβ遮断薬)
心臓のポンプ機能を緩やかにさせて血圧を下げる薬。
(6)α遮断薬
血管の収縮を抑えて血圧を下げる薬。
患者さんの病態や検査の値を見て、適切な降圧薬を選択しますが、高血圧の薬物治療は通常、単剤あるいは低用量の2剤から開始され、降圧作用が不十分な場合には用量の増大か多剤への変更、異なる作用機序を持つ降圧薬との併用療法などが行われます。
α遮断薬は基本的に推奨されないが、前立腺肥大症を合併している患者さんなどには有用かもしれません。
ちょっと専門用語が増えてきて、難しくなってきましたかね?
できるだけ噛み砕いて書いてるつもりなんですが・・・・・。
次回は今回紹介した6種類の薬剤の代表選手と言いますか、実際に用いられているものを具体的にご紹介していきたいと思います。
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