2013年8月10日土曜日

高血圧の治療(その①)-治療の進め方

高血圧の治療(その①)-治療の進め方

日本チャリネ一座
今回は、高血圧治療における治療の進め方についてお話します。

高血圧の治療では、運動、食事などの生活習慣を改善する「非薬物療法」と、降圧薬によって血圧を下げる「薬物療法」があります。

ただし、薬物療法を実施している場合でも、非薬物療法を実施することは大切です。

日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインによると、具体的な治療は、血圧がどの程度高いのか、高血圧以外の心血管病のリスクがどのくらいあるかによって、3つに分けられます。

■高血圧患者のリスクの層別化

正常高値
I度高血圧
II度高血圧
III度高血圧
危険因子なし*1なし
低リスク
低リスク
中等リスク
高リスク
糖尿病以外の12個の危険因子、メタボリックシンドローム*2がある
中等リスク
中等リスク
中等リスク
高リスク
糖尿病、慢性腎臓病、臓器障害/心血管病*33個以上の危険因子のいずれかがある
高リスク
高リスク
高リスク
高リスク

*1
危険因子
高齢(65歳以上)、喫煙、脂質異常症、尿微量アルブミン排泄、慢性腎臓病(CKD)、肥満(特に腹部肥満)、メタボリックシンドローム、若年(50歳未満)発症の心血管病の家族歴、糖尿病
*2
メタボリックシンドローム
ここでは血圧のほか、腹部肥満に加えて血糖値異常か脂質代謝異常のいずれかがある場合
*3
臓器障害/心血管病
脳、心臓、腎臓、血管、眼底のいずれかに、日本高血圧学会が指定する異常がある

■初診時の治療計画



上記のように、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインに定められた期間を食事療法運動療法を行い、それでも140/90mmHgを超えている場合は降圧薬による薬物治療を開始することになります。
近年では、大規模臨床試験がいくつも出そろい、高血圧治療ガイドラインでは科学的根拠に基づいた降圧薬の選択を推奨しています。


いかがでしたか?

日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインで事細かに治療の方針が決まっているんですね。

次回からは各療法の詳細について解説していきますね。

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